「この花、萎れてきているわ。庭師は何をしているの? すぐに手入れさせなさい」
その花は花びらの一部がほんの少し茶色くくすんでいるだけだった。命じられた近衛騎士がその花を根元から引きちぎると、プリリア王女は満足げに微笑んだ。
──同じ『リア』でも、スーリアとは全然違うな。
庭園でプリリア王女の退屈な話を聞きながらアルフォークの頭に浮かんだのは、満面の笑顔で花の説明をするスーリアの姿だった。
「アル、この後はお茶にしましょう。いいでしょ? よい茶葉が手に入ったの」
小一時間も庭の散策に付き合わされて、さらにお茶に付き合えと言われてアルフォークは困惑した。出来れば遠慮したいが、プリリア王女が納得するとも思えない。言われるがままにプリリア王女に従って歩いていると、今度はドスの利いた低い声に呼び止められた。
「アル。何をしている? この俺をどれだけ待たせる気だ??」
視線の先に不機嫌そうな顔をしたエクリードを見つけ、アルフォークはまたしても肩を竦めた。
その花は花びらの一部がほんの少し茶色くくすんでいるだけだった。命じられた近衛騎士がその花を根元から引きちぎると、プリリア王女は満足げに微笑んだ。
──同じ『リア』でも、スーリアとは全然違うな。
庭園でプリリア王女の退屈な話を聞きながらアルフォークの頭に浮かんだのは、満面の笑顔で花の説明をするスーリアの姿だった。
「アル、この後はお茶にしましょう。いいでしょ? よい茶葉が手に入ったの」
小一時間も庭の散策に付き合わされて、さらにお茶に付き合えと言われてアルフォークは困惑した。出来れば遠慮したいが、プリリア王女が納得するとも思えない。言われるがままにプリリア王女に従って歩いていると、今度はドスの利いた低い声に呼び止められた。
「アル。何をしている? この俺をどれだけ待たせる気だ??」
視線の先に不機嫌そうな顔をしたエクリードを見つけ、アルフォークはまたしても肩を竦めた。