スーリアが家に戻ると、夕食の準備はすっかりと整っていた。今日のメニューは鳥肉と野菜の煮込み、フレッシュサラダ、パンとスープだった。皿からは湯気が上がっており、よだれが出そうないい匂いが部屋全体に漂っている。

「ごめんなさい、お待たせ」

 スーリアは急いで手を洗うと食卓についた。思ったよりも、もたもたしてしまったようだ。四人は今日も創造の女神シュウユに祈りを捧げてから食事を頂いた。

「スーリア。今日、団長さんが来ていたんでしょ? 直接お礼が言えてよかったじゃない。スティフからは時々話を聞くのだけど、どんな人だった?」

 鳥肉を頬ばっていると、姉のメリノがスーリアの方を見つめていた。人気の魔法騎士団長がどんな人物なのか興味津々の様子だ。

「うーん、そうね……。すごくハンサムだったわ。それに、優しそうないい人だった」
「へえ、やっぱりそうなのね。スティフからもそう聞いてるわ。なんでも、王女殿下のお気に入りで常日頃から近衛騎士に欲しいと望まれているのを第二王子殿下がはね除けてるって」
「王女殿下? 第二王子??」

 スーリアは初めて聞く人物に首をかしげた。