「すごいわね‥‥‥」

 近づいてはみたものの、団長のまわりにはご令嬢や町娘風の若い娘が二重、三重に取り囲んでいた。スーリアからは背の高い水色の頭が少し見えるだけで、とても会話を交わすことは無理そうだった。
 しばらく待ってみたが一向に人垣は減らない。とても話せそうにもないので、結局はお礼の手紙と花束を一緒にスティフに預けて代わりに渡して貰うことにした。


 ***


 王都魔法騎士団の団長であるアルフォークは、はっきり言ってうんざりしていた。

 月に一度の公開練習を終えるといつものように魔法騎士達のもとに女性がプレゼントを持って集まってくる。アルフォークは毎度毎度、この公開練習の後の身の身の振り方には頭を悩まされていた。