先行した部下の騎士が叫ぶ。生い茂る木々で鬱蒼(うっそう)としていた森は、そこ辺りだけ開けた草原になっていた。そして、草原の中央で体長三メーターほどのスネークキメラが雄叫びをあげているのが見えた。
 スネークキメラは三つ叉の蛇の頭と毛むくじゃらの獣の体を持つ魔獣だ。裏の世界から来て時間が経っておらず興奮状態なのか、アルフォーク達を見ると突然襲いかかってきた。

「来るぞ! 構えろ!!」

 アルフォークの指示を聞いた部下達が剣や弓矢を構えるのと同時に攻撃の呪文の詠唱を始める。スネークキメラを取り囲む騎士たちの魔力を帯びた弓矢は光を発し、輝きを発して(くう)に放たれた。矢はスネークキメラに見事に命中すると、強烈な光を放った。

「仕留めたか?!」