試合は騎士団の中でも序列順に行うようで、最初の試合でも凄いと思ったのに、後半の試合はまさに凄まじかった。雷や炎、氷の攻撃などが繰り広げられて息をつく暇も無いほどだ。最後の試合が終わって騎士二人が兜を外すと、会場の拍手と歓声は最高潮に達した。

「あの人がスーリアを見つけて運んでくれた人よ。ほら、あの水色の髪の人。若いのに王都の魔法騎士団の団長さんなんですって」

 最後に試合した騎士二人を見ながら、姉のメリノがそっと耳打ちしてきた。
 スーリアが訓練場に立っている騎士に目をやると、確かに淡い水色の髪の青年がいた。まわりの騎士とは違い、一人だけプレートアーマーに刻印のようなマークが付いているのであれが団長の証なのかもしれない。