アルフォークの前に試合用の剣が置かれた。それを無言で眺めていると、件の罪人の疑いがある少女とやらが引き立てられてきた。その少女が現れたとき、アルフォークは息が止まるほど驚いた。
「スー、なんで……」
そこに現れたのは、スーリアだった。近衛騎士に前後を挟まれ、スーリアがアルフォークの前に立つ。その後ろに続くのはアルフォークの部下である魔法騎士が五人。
「スーリアは摩訶不思議な魔術を使い、聖なる力が在るかのように振る舞い、人々を惑わせた。また、王宮の中に潜入することにより細工を施し、結果的に空間に歪みを発生させた稀代の魔女である」
淡々と罪状を読み上げるのは、エクリードだ。エクリードは、冷ややかな目でアルフォークを見下ろした。
「よって、スーリアは死刑に処する」
「ばかな! そんなはずはない!!」
「残念ながら事実だ。お前も誑かされた一人だ」
「違う!」



