「アルにそれを命じたのは俺だ」
壁に寄り掛かったまま、腕を組んでいるエクリードがスーリアを見つめる。スーリアは目を逸らさずにエクリードを見返した。
「騎士にとっての利き腕は、命綱だ。腕が使えないのは、スーリアが思う以上にダメージが大きい。アルが望むなら、その役目は解任するつもりだ」
スーリアは暫く呆然で立ち尽くし、やがて意を決したように顔を上げた。
「……ルーエンさん。私、もしかするとアルや今医務室にいる人達を治せるかもしれない」
「治せる?」
「ええ。もしかしたらだけど──」
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