「会えなかったのでは仕方が無い。日を改めよう」
 
 エクリードは窓の外を見た。雨は益々激しくなり、雨戸を叩きつける音が喧しい程だ。白いカーテンがかかったように、景色が濁っている。

「それに、この雨ではなかなか出掛けられない」
「そうですね。わかりました」
「嫌な雨だ。こんな日は、空間の歪みが発生しなければよいのだが……」

 雨水が窓ガラスを滴り落ち、景色が歪む。アルフォークとエクリードは、無言で真っ白に染まる景色を眺めた。