「お兄様が分からず屋なので、お父様に直接お願いします」 「ああ、そうしろ。結果は同じだ」 「っ!! 行くわよっ」 不機嫌なプリリア王女に怒鳴られて、侍女は慌てて後ろを追いかける。豪華な髪飾りが歩くたびにゆらゆらと揺れる。 「何事もなければよいのだが……」 エクリードはその後ろ姿を見送り、はぁっとため息を吐いた。