転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~


「お前の要求は全て事実無根だろう? お前からの要求があり、俺は事実関係の確認を行った。まず、魔法騎士団のキャロルだが、訓練にも魔獣の征伐にもしっかりと参加しており、勤務怠慢はない。次に薬草園のミリーだが、薬草の世話をしており、なにも問題はおこしていない。次に、花畑管理人のスーリアだが、沢山の花を育てて納品しており、魔術研究所及び装花師の評判も上々だ。次に魔術研究所の侍女の──」

 エクリードは手元の報告書を淡々と読み上げてゆく。これらの人物は全て、プリリア王女が『職務怠慢』としてクビにするようにと要求してきた人物だ。分かりやすくアルフォークと最近接触があった女性だけが選ばれている。よくまあこんなに調べたものだと感心するほどだ。

「──と言うわけだ。よって、職位を剥奪するような案件は見あたらなかった」

 全てを読み上げたエクリードがプリリア王女を一瞥すると、プリリア王女は真っ赤な顔で、両手でバシンと机を叩いた。