キャロルはその理不尽な仕打ちへの悔しさから、唇を噛んだ。プリリア王女は満足げに微笑む。その笑顔は女神のごとく美しいのに、まるで悪魔のように見えた。

「お世話になりました」
「待て! キャロル!!」

 無表情のまま訓練所を立ち去るキャロルを、アルフォークが咄嗟に追いかける。魔法騎士団の面々はただ呆然と見送ることしか出来なかった。