「久しぶりに恵ちゃんとも話したかったし、女子会でもしようかと思って」

 シュウユはスーリアにレジャーシートに座るように促し、自らも腰を下ろした。リアちゃんもスーリアの斜め前に座り、お弁当を取り囲んで三角形になると、三人は和気あいあいとおかずを摘まみ始めた。

「今日は私が恵ちゃんに与えた力を説明しておこうと思って」
「私に与えた力?」

 サンドイッチを頬ばっていたスーリアはシュウユに聞き返し、少し首をかしげた。

「花に浄化の力があることは人から聞いたわ」
「そうね。花は私の神力の器なの。その力は花が枯れても次の花が咲けば再び器として蘇り、何代もの間続く。効果を持続させたかったら、切り花ではなくて直植えがお勧めよ」

 シュウユはにこにこしながら頷いた。スーリアはそれを聞いて、次回から魔術研究所には切り花だけでなく、直植えできる株を沢山納品しようと思った。

「あと、恵ちゃんの育てた野菜類には治癒力がある。効果は強力な治癒魔法よりも更に強いわ」
「え? じゃあ、体調不良のミアには私の野菜を無理やり食べさせればよかったってこと?」
「そうね。でも、あれはあれで、恵ちゃんが自分の気持ちに気付くきっかけになったから、よかったと思うわ」