横から覗きそんだアルフォークがサインを見てそう呟いた。スーリアは聞き慣れない単語に聞き返した。

「クレド?」
「有名な窯元だ。俺の実家の領地はガラス工房が有名なものだから、陶器のことも昔勉強した。繊細な絵付けが特徴の高級陶器メーカーだ」
「ふうん」

 スーリアは持っていたカップを見つめた。描かれた小花はまるでそこで咲いているかのように繊細で、持った時の柄の部分にも細かい模様が施されていた。

「素敵ね」

 スーリアはそのカップが気に入った。

 ──これにしようかな。