「アルはなんでそんなこと知っているんだ?」
「スー本人に聞いた」
「へえ!」

 ルーエンは驚いたような声を上げると、ニヤニヤと笑った。面白いものを見つけたかのような目でアルフォークを見ている。

「なんだ?」
「別にぃ?」

 ルーエンは嬉しそうにふっと笑うと、今度は急に真顔になった。

「でも、リアちゃんの体調じゃ無いなら花の力が弱まる理由はなんだろう? まさか、その猫が特別な猫で、猫の体調にリンクしてるのかな?」
「スーはパン屋で働き始めてからその猫を拾ったと言っていた。俺がサンダードラゴンに襲われた時、猫は飼っていなかった。時間軸が合わないから違うだろう」
「そっかぁ。じゃあ、何なんだろう?」

 ルーエンは両手を頭の後ろで組んで空中を仰ぎ見た。
 アルフォークも足を組んであの日、他になにかいつもと違うことがないかを思い返した。しばらく考えてみても、答えは出てこない。話がいったん途切れたのを見計らって、エクリードが話を変えた。