普段、スーリアの家族は夜遅くなると光の魔法石の節約のためにすぐ寝る。しかし、今日はスーリアを待っていてくれたのか家の明かりはまだついたままだった。

「ありがとうございます」
「いや、ミアもスーも元気になったならよかった。今日はゆっくりと休むといい」

 スーリアがお礼を言うと、アルフォークは微笑んだ。
 玄関口でスーリアを見下ろすアルフォークの眼差しはとても優しく、美しいアメジストの様な瞳に、スーリアは吸い込まれそうな錯覚を覚えた。家に入ると、スーリアはまっすぐに自分の部屋に駆け上がった。

「スーリア? ご飯は?」
「はーい! すぐ食べるわ」

 階下から聞こえるメリノの掛け声に、スーリアは大きな声で返事をした。まだ頬が熱い。胸がどきどきする。足に擦り寄るミアを抱き上げると、スーリアはミアと視線を合わせた。

「ミア、どうしよう。私、アルが好きかも」