小さなお皿に盛られたご飯が殆ど減っていないのを見て、スーリアはため息をついた。今日も全然食べていない。

「ミア、今日も食欲無いの?」

 スーリアがミアの頭を撫でると、ミアは力無く『ミャア』と鳴いた。スーリアは優しくミアのお腹を擦ってやった。

 ミアは数日前から体調を崩しているようで、食欲がない。
 餌を色々と変えてみたが効果はなく、動物のお医者さんに連れて行ったが胃薬を出されただけだった。その胃薬はもちろん飲ませているが、あまり効果が見られない。元気の無いミアを見て、スーリアの気持ちも沈み込んだ。


 ***


 アルフォークは自身の部下達を引き連れて王都の郊外で馬を走らせていた。空間の歪みを監視している聖魔術師によると、この近くで空間の歪みが発生している。目的の地点による近づくとエクリードがアルフォークを呼び止めた。

「アル、そろそろだ。気を引き締めろ」
「承知しました」