「アル。あの小説の続き、どうなったと思う?」
「「どうなったんだ?」」

 意味ありげな聞き方にアルフォークとエクリードは二人して身を乗り出した。

「騎士様が愛を示すために王子と魔術師に手料理を振る舞うだってさ! 傑作だろう!」
「……ふざけるなーー!!!」

 大笑いするルーエンの横で、アルフォークは絶叫し、エクリードは早速つまみ食いし始めていたケークサレを盛大に噴き出した。

「あと、アル」

 呆然とするアルフォークの肩をポンと叩き、ルーエンは渋い顔をした。

「リアちゃんの野菜は残念ながら、食べてもなにも効果は無さそうだよ? 美味しいけどね」

 ルーエンの無情の報告に、アルフォークはがっくりと項垂れたのだった。