光が影を照らすとき

俺が後ろを振り返ると、あの頃と変わらない様子の灯向が居た。

「おー!灯向!久しぶりだな。」

「華霞だ!華霞!!久しぶり!!!」

灯向の、相変わらずの子供っぽさは変わらないようだった。

無邪気な笑顔で駆け寄ってきて、ぎゅっと抱きついてくれた。

「待ってたよ!華霞!!おかえり!!!」

「ただいま!」

俺は、別に人間にどれだけ気にされなくても構わない。

けど、目の前に居る神様からは、灯向からだけは、ずっと好かれていたい。

俺の心の影は、灯向の心の日向に、光に照らされた。

それは俺の心に、初めて光が差した瞬間だった。