「…結莉…」 呼ばないで。 余計、苦しくなる。 「……オレのこと好きなら3秒以内に出て来い。」 急に、しびれを切らしたように低くなった弘樹の声。 ………う… 卑怯だ… こう言えば、弘樹は私が絶対出て来ると思ってる。 「…さーん。」 「……………」 「にー…いーち…」 「……………」 ムカつく。 私を簡単に手なずけたくせに、自分の心の内は見せてくれない。 それが、すごく悔しいの。 「…ぜろ。」 .