「―…弘樹の……」
「…え?」
私のボソッと呟いた声が聞きとれなかったらしい弘樹。
私はギュッと拳を握った。
「…弘樹のバカ!!一生、ボールと遊んでろ!」
――バンッ!
文句だけじゃ足りずに、持っていた鞄まで弘樹に投げつける。
不意に、よろけた弘樹。
私はその隙をついて、その場から逃げ去る。
「あ、おい…結莉!」
「うるさいっ!!」
後ろにいた弘樹の姿が徐々に遠ざかって行く。
……苦しい。
胸が締め付けられる。
私のバカ…
弘樹が頑張ってること知ってるのに…今更、何言ってんだ。
言った後で後悔しても遅いっつーの。
言った言葉は取り消せないから大目に見ても…
鞄を投げたのは、完全にやり過ぎだ。
しかも、携帯も財布も教科書も入ったままなのに…
「どーしよう……」
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