「事情は分かった…。
だがな、どんな事情があるにしても、仕事を放りだしていい理由にはならない。
吉本、お前はクラス全員に謝れ。
そして、罰として、片付けを全部1人でやるんだ」
「1人?先生、それなら俺もやります」
「瀬戸内、お前はクラスが違うだろ。
お前は自分のクラスに戻って、自分の責任を果たせ」
「…分かりました。
でも1組は展示のみで、あとは展示物を撤去するだけです。
その作業が終わったら手伝っても構いませんよね?」
「……勝手にしろ」
「ありがとうございます」
クリリンと、タモちゃんの話し合いにかたがついたようだ。
「皆さん、この度はご迷惑をおかけ致しまして、申し訳ありませんでした…」
私は正座したまま、呆然と立ちつくしているクラスメートに謝った。
「コイツを勝手に連れ出して、すみませんでした」
続けて、隣でクリリンが謝る。
「よし、吉本以外の奴は、校庭に出ろ。
終了式が20分後に始まるからな」
タモちゃんはそう言って、教室から出ていった。


