転校生は双子くん



校舎からは、片付けをしている騒がしい物音や、生徒たちの賑やかな声が聞こえる─…。



「もう文化祭も終わりだね」


「ああ」



イベントが1つ終わるのって、寂しいもんだな…。






……ん?…終わる?


文化祭が終わる…??




ちょっと待ったーーー!




私、教室を抜け出してきて、そのまんまじゃーん!




「クリリン!もう教室戻っていい!?
 私、すっかり忘れてたよ!」



ヤバイよ!!

絶対!香織も、クラスメートも、タモちゃんも怒ってるよーー!




「じゃあ俺も行く」


「へ?うちのクラスに?」


「俺が勝手に連れてきたんだから、俺も行く」




クリリンも一緒について来てくれるの?


クリリンがいれば、怒られても何となく恐くない気がする…。



「よし、じゃあ行くぞ」




立ち上がったクリリンは、私に手を差し伸べてくれた─…。