「でも、意外だな…。
クリリンに好きな女の子がいたなんて…」
知らなかった…。
わたし、知らなかったよ…。
今まで、クリリンが女の子と話しているところなんて見たことなかったから…。
「お前こそ…」
「えっ?」
「付き合ってんだろ?
裕次と……」
えええっ!!
もしかして、修学旅行の一件で流れた噂を、クリリンも信じてるの?
「ちがうよ!あれは只の噂だよ!?」
慌てて否定すると、クリリンは目を丸くした。
「は?違うのかよ?」
「そう!自由行動で一緒にいるところを見られて、勘違いされただけなの!」
「そういう事は早く言えよ!」
「知らないよ!
クリリンまで勘違いしているなんて思わなかったんだもん!」
クリリンは盛大に溜息を吐き出して、ゴロンと寝返りを打った。
「アイツ……やられた…」
背中を向けたクリリンから、ボソッと、なにか呟く声が聞こえた。
「え?なに?」
「なんでもねーよ!」
何それーーーー!
勝手に勘違いしてたくせにー!
……でも、勘違いされたままじゃなくて良かった…。


