転校生は双子くん



その後、”食べ歩きツアー”と称した、文化祭巡りを楽しんだ。


フライドポテト

あんず飴

イカ焼き

綿菓子……



目につく食べ物やさんに突進していく私を見て、「ほんと、お前って食いもんばっかりだな…」ってクリリンは呆れながらも、私の後をついて来てくれた。


こういうお祭りで食べる食べ物って、格別美味しく感じるのは何でかな?



「そろそろ止めとけ。いい加減、腹壊すぞ」


というクリリンの言葉がなかったら、きっと私は胃袋の限界まで食べ続けていたに違いない。


クリリンの言葉を素直に受け止め、食べ物やさん以外のお店にも注目することにする。




目の前の教室の外では、吸血鬼の格好をした生徒が、客引きをしている。


赤い字で”世界一恐いお化け屋敷”と書かれた血糊つきの看板がオドオドしい。



早く通り過ぎよう…。


私は、自然と歩く速度が上がる。






ガシッ─…





またしても、クリリンに腕を掴まれた。



イ、イヤな予感……






「おい、そんなに急ぐことはないだろ?
ここ入っていこうぜ」



ニヤリと、意地悪そうな笑みを浮かべた”悪魔”がいた。




悪魔はさっさとお金を払い、私の腕を引っ張って”世界一恐いお化け屋敷”へと足を踏み入れて行った。





ギャーー!悪魔ー!