転校生は双子くん



「お母さん!お父さん!」



手を振りながら、お母さんとお父さんが近づいてくる。



「良子!ちょうどアンタんとこ行こうと思ってたのよ!
今、当番じゃないの!?」


「えーと、インターバル?」



当番だけど抜け出してきました。

なんて言えないよ…。



「なんだ、休憩中なの!?
せっかく良子の新妻ぶりを見に行こうと思っていたのに!」


お母さんが残念そうに言った。



「よしこ……その後ろにいる男の子は誰かね…?」


お父さんが後ろにいるクリリンを指さして、聞いた。


「えっとね、ク……」



「もしかして、彼氏!?

とんでもないイケメンじゃないの!!
こんなカッコイイ男の子と付き合っとるの?

さすが私の娘ね!

アナタ、名前はなんて言うの?」



お母さんお得意のマシンガントークによって、私の言葉は遮られた。

クリリンもお母さんの勢いに圧倒されているようだ。


「あ、瀬戸内 涼介です…」


「まあ!瀬戸内 涼介くん!
リョウちゃんね!

こんな娘ですけど、宜しくしてやってね!」



お母さんはクリリンの手をとり、ブンブン振りながら言った。


「はあ…」


お母さんに圧されてタジタジの”リョウちゃん”