転校生は双子くん



文化祭が行われている校舎の中は、活気で溢れている。


みんな、非日常的なイベントに浮き立って、テンションが高い気がする。


生徒の皆も、先生達も、みんなソワソワしている。





例に漏れず、私もその1人だ─…。



ソースの香ばしい匂いのヤキソバ。


チョコレートの甘い香りのバナナチョコ。


カレー、ポップコーン…



あちらこちらから漂ってくる食べ物の匂いが混じり合い、私の空腹中枢を刺激する。



「わ!あんず飴好き!
あっちでフライドポテトが売ってる!
広島風お好み焼き美味しそう!
あー!クレープ食べたい!!」



何から食べよう…。


たこ焼きも捨てがたいけど、やっぱりクレープ!!


私はクレープ屋に突進する。



「すいません!”バナナ スペシャル グレート ミックス クレープ”を1つ下さい!!」



”バナナ スペシャル グレート ミックス クレープ”が完成し、私は受け取る。




しかし、私はとんでもない事を忘れていたんだ…。


こんな肝心なことを忘れるなんて…。



私はある失態をし、後悔の渦に包まれていた─…。