…もちろん”フリ”だけど…
「………!!!」
ぷぷぷ。
クリリンびっくりしてるーー!!
あれ?何かクリリン顔赤い?
「アナタ?もしかして風邪?
会社休んだほうがいいんじゃない?」
これは私のアドリブである。
名演技。
それにしても、本当に熱でもあるのかな?
私は片手をクリリンの肩に乗せたまま、おでこにもう片手を添える。
「………!!!」
うーん……熱はないかな?
それしては顔が赤いけど、もしかして教室の中、暖房かかり過ぎてた?
「熱はないみたいだね!
じゃあ、アナター!いってらっしゃい!」
私は手を振ってお見送りをする。
マニュアル完璧!
アドリブまでつけられるようになったし!!
ここまで覚えるのに、香織にさんざんしごかれたからなぁ…。
辛い日々だったなぁ……
感慨に浸っていると、クリリンに腕を掴まれた。
「え?なに?」
「ちょっと来い!!」
なになに!?クリリン怒ってるみたいだけど、私なんかした?
接客完璧だったのにー!!
私はクリリンに腕を掴まれたまま、教室の外に連れ出された。
「なになに!?
どうしたの!?」
「いいから!
ちょっと来い!!」
ギャー!!
亭主関白ーー!!


