私は、文化祭が終わってからも、あの事を引きずっていた。


なんで、チャーリーは私にキスしたの…?

なんで?

なんで?

なんで?



………………




「コラ!吉本、おまえ人の話聞いてるのか?」


「…タモちゃん…何?」


「何?じゃないわ!
 やっぱり聞いてなかったな!
 進路について話し合ってるんだから真面目に聞け!」



そうだった…。

二者面談で、タモちゃんに進路指導室に呼ばれてたんだっけ…。



「まだ1年だけどな、こういうのは早いほうがいいんだ。
 まず、何か悩んでいることとか、分からないことはあるか?」



悩んでいること…

分からないこと…




「タモちゃん…キスって、なんでするんだろう?」


「は?それ進路と関係あるのか?」


「ないよ」


「アホー!今は進路について話してんじゃ!
関係ない話はすんな!!」


「でも、タモちゃん、分からないことはないか?って聞いた…。
 今、一番気になることなんだもん…」


「…お前なあ、真剣に進路について考えろ!」


「教えてくれたら、真剣に考える!!」



タモちゃんは大きく溜息を吐き出し「しょうがねぇなー」と頭を掻いた。