「雫久。そうそう
本が好きだったよね?」


「…はい」


「図書の松原先生が、図書室
自由に使っていい。って
話してたわよ。
鍵だけ、取りに来て
松原先生のデスクに【借りました】ってだけ
紙か何かに書いて置いてくれてたら。って」


「ほっほんとに!?!」


「笑。ほんとにぃぃ〜」


「やっったぁぁぁ〜!!」


思わず声が大きく出てしまい。


先生が自分の唇に人差し指を当てて


しぃぃぃーっ!

と、軽く首を振りながら言った。



…ガチャ


ドアの開く音がして


振り返ると小林先生が立っていて、


「雫久。…ごめんな…あんな事平気でゆうやつなんか。
相手にすんなよ。って。無理だよな…」


……先生が困らなくても…。


「あの…先生…。
図書室に行っていい?ちゃんと勉強するから」


「今日は、図書室での授業は確か…ないしな…。了解!いいよ」


小林先生が考えながら答えた。



「やったぁ!ありがとう!」



「松原先生はいてるから安心だしな」



「はい!じゃあ行ってきまぁーす!」


しぃぃぃー!

また、宮野先生が唇に人差し指を当てた。


私は


両手を顔の前で合わせて


…ごめんなさい。


と小声で謝って


早歩きで図書室にと向かった。