私は、

首を横に小刻みに振りながら


彼と眼が合わないように目線はずらして、


小さな声で「大丈夫」 とだけボソッと答えた。


「あっ……。」


彼は、そうゆうと何処かへ行ってしまった。

その後すぐ、


「待ってよ!ゆうきくん!」


また、女子が彼を呼びながら


パタパタと走る足音が聞こえた。


《…また、女子に追いかけられてるんだ…。
アイドルみたい…》


私とは正反対の彼に…

少し胸がギュッと締め付けられるような痛さが走った。


…私には、関係ないや。


「雫久?何やってんだ?」


…えっ?


小さく声が漏れ


見上げると小林先生が立っていた。


地面に座り込んでいた事に


今、気がついて慌てて、


「なっ何でもないです!」


スカートを叩きながら立ち上がり、誤魔化すように答え机に座った。



先生は、

「そうか?」と首を傾げ丁度


チャイムがなり、


引き継ぎテストが始まった。


少し体調もましになってきたし、


…帰りに図書室に寄ってから帰ろう~。



何を読もうかそんな事を考えながら


何処か心の隅で、


・・・ゆうきくんは・・・居るのかな。



そんな事も考えて・・・た。