お店の中に入ったフィオナとフリージアは席に案内され、チャーハンや小籠包を注文する。フィオナが烏龍茶を一口飲むと、「お前は、俺の過去が何となく見えたんだろ?」とフリージアが呟く。フィオナが頷くと、フリージアはボソボソと過去のことを話してくれた。

「俺は、本当は臆病なんだ。ジョンさんを守れなかったのに、特殊捜査チームの一員として犯人と対峙していいのかずっと迷っている。俺のしていることは正しいのか、死なせてしまったジョンさんを悲しませていないのか、ずっと不安で怖い」

きっと、この言葉はレイモンドには話していない言葉なのだとフィオナは察する。ずっとあの無表情の裏側で、フリージアは一人で全てを抱え込んでいたのだ。その重みは計り知れない。

フィオナはただ黙ってフリージアの言葉に耳を傾ける。何故、優しい言葉をかけられない自分に全てをフリージアが打ち明けているのかがわからなかった。フィオナ無言で考えている中、フリージアはまた話す。