特殊能力捜査チームの一員であるフィオナ・カモミールは、心理学について書かれた本を読んでいた。今フィオナがいるのは特殊捜査チームの部屋で、他の仲間も揃っている。

「なるほど、奥が深い……」

ページをめくるたび、フィオナの知らない人の心理が描かれている。フィオナはそれら一つ一つを頭に記憶していった。

何故フィオナが心理学に関する本を読んでいるかというと、心理学者が主人公の長編ミステリーを書くことになったためだ。そして、犯罪心理を学べば黒いバラの花びら事件の手がかりが何か見つかるのではないかと期待している。そのため精神科医のレイモンド・アルストロメリアから心理学の本を借り、犯罪心理学者のアルミン・アキメネスから犯罪心理について教えてもらい、勉強をしているところだ。

「人は自分の好きなものを周りに置くんだ。だから、その人の持ち物や部屋に置かれている家具の色や小物でその人の性格がわかったりするよ」

レイモンドに言われた言葉を思い出し、フィオナは本から顔を上げる。幸い、部屋に全員揃っていた。フィオナは周りの人たちを観察してみようと赤い瞳を見開く。