リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「え………?」


驚いたあまり、それだけしか反応が出来ない。


「なん、で……知ってるの?」


やっと言葉にできたのはそれだけ。

でもすぐに答えは返してくれなかった。

理由は彼らの表情を見れば分かる。

みんな声を上げず驚いていた。

不思議な空気が漂う中、何の合図か分からないチャイムが耳に、頭に、胸に響いた。


「なんで私のお父さんを知ってるの?」


考えすぎて分からなくなる前に、今持っている疑問を述べる。

それでも頭は困惑する一方だった。

……だってお父さんは、今離れた所にいる。

なんでかっていうと、仕事場がそっちにあるから。

お父さんは建設会社の社員であり、工事現場の監督に勤めている。

忙しい上にあまり休みが取れない仕事だから、滅多に帰って来れないのだ。

つまり私と達綺は実家で2人暮らし。

そのことを知っているかは分からないけど、彼らは私のお父さんを知ってるんだ。


「……どうして?」


私が紡いだ言葉はしかと伝わり、睦斗はその目に私を映した。

真っ黒な瞳は動くたびに輝きを変えて、逸らすことが出来ない。


誰かが言ってた。

人間は目で嘘を吐けないって、目は口ほどにものを言うんだって。

それと──



「…優凛、お前に言わなきゃならないことがある」


伝えたいことがある時、瞳はどんなものよりも輝いて見えるんだって。