リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「……あれ、ココ?」


青葉へと移り変わった桜の木の下。

そこに立ちすくむココがいた。

でも、私が見たのは彼女だけじゃない。


「……あの子、ナンパされてない?」

「ああ?どれだよ」

「ほら、あの白髪男とか……3人くらいに囲まれてる子」


桜汰先輩の言う通り。なんとココが中庭でナンパされていたのだ!


「って?あれ、桜南の制服じゃねえじゃん」

「はぁ?部外者がここに何の用だよ……ってあの白髪もしかして!?」

「助けに行かなきゃ!!」

「あっ、おいやめとけ!俺らが行くからここにいろ!」


璃輝さんの忠告は私の耳には届かなかった。

頭を巡ることはただひとつ。

───お願い、無事でいて。


たかがナンパ。周りの人から見たらそれだけかもしれない。

けれどココにとっては恐ろしいトラウマでしかないんだ。

2年前襲われそうになって以来、知らない人から声を掛けられるのが怖くて仕方ないらしい。

それなのに、私はココを独りにした。

今回の件は私のせいだ。

自責の念に駆られる中、私はひたすら中庭目指して校内を突っ切った。