リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

アーケードを潜り、商店街の中を駆け抜ける。

かぶってたキャップに髪の毛を押し込み、パーカーを着てたから、顔を隠すようにフードを被った。

さらにポケット探ったらマスクがあったので装着した直後、人影を確認した。


真っ黒な髪の男。身長は170後半、体型は細身。

だけどその後ろ姿は近寄り難い雰囲気をまとっている。

ふむふむ、じゃあこの人が1対20の1の方かな?

勝手に判断した私は、(やぶ)から棒に大きな声を響かせた。


「助太刀する!」


ふふ、私カッコよくね?なんてニヤけながら、黒髪の隣に駆け寄る。


「なんだてめえ、ごらあ!」

「チビはひっこんでろ!」


しかしそのとたんに、けたたましくサルみたいに騒ぐヤンキー。


「うるっさいなぁ、商店街で迷惑行為はやめろよバーカ!」


私は男装しているので低めの声でメンチを切った。


「んだとテメー!」

「ぶっ殺してやるよぉ!!」


思った通り私の言葉がきっかけで、ヤンキー共は食ってかかってきた。