リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「フフッ……すっげえ、何この子。
俺ら相手にこんな血気盛んな子初めてなんだけど、ウケる」


肩を震わせてるのはオウタさんは実に楽しそう。

私の変な顔を笑った訳じゃなさそうだし、喧嘩を止める様子はないので放っておこう。


「……ナメてんじゃ、ねえぞ……!」


サルはオウタさんとは違う意味で肩を震わせている。

と、次の日瞬間鬼気迫る表情で助走をつけて私の方に向かってきた。


「ぶっ殺す!」


そしてびよーんと高く跳んで飛びかかってきた。

よっしゃ、久々の実戦だ。受けて立とうじゃないの!


「うらぁ!」


明らかな殺意を持って、右ストレートを繰り出すおサルさん。

残念ながら、そんながむしゃらな時ほど隙が生まれやすいんだよね。

うねりを上げて突っ込んでくる拳。


「……あ!バカ悠、やめろ!」


笑い転げていたせいか、おサルさんが本気で殴るなんて思ってなかったせいか、オウタさんが止めに入るのが遅れる。

けど大丈夫。

なぜってこんな真正面から来るパンチ、格闘技習ってるおかげで慣れてるから。


「赤髪くん、軸がブレてるよ。体幹鍛えた方がいいと思う」

「……は?」


シュッと体をひるがえして攻撃を避ける。

後ろに立ってアドバイスしたら、ものすごくびっくりした顔で振り返った。


「え?マジ……?避けた!?」


大きな声を発したオウタさんは、続けて「すげー、アクション映画みたい!」と興奮気味だ。

那智に至っては目をまん丸にして私を凝視している。

まったく、女だからって舐めてもらっちゃ困ります!