リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「…オウタさん、リキさんに何があったんですか?」

「てめえに関係ないだろうが。勝手に首突っ込むんじゃねえよ!」


おかしいな。オウタさんに話しかけたはずなのに、サルが返答した。

いちいち私の言ったことに反応すんのやめて欲しい。


「何かあったんですか?」

「っ…てめえっ無視すんじゃねえ!」


なんて声が聞こえたけどそれもガン無視。

たぶん返事したところで火に油注ぎそう。


「あー、璃輝のこと?ちょっと今精神的なショックから抜け出せねえって感じだな」

「はあ……」


うなずいてみたけど何のことかさっぱり。


「……んでだよ」


すると聞こえた小さな声。

その潰れそうな切ない声を発したのはリキさんだ。


「なんで、別れようなんて……。
好きだったのに……!」


頭を抱えるリキさんは、まじで泣いてる!?

突然の出来事にびっくり。まさに鬼の目にも涙ってやつだ。

ところでリキさん、本当に失恋したのか。


「璃輝さん…」


慰めるような優しい口調の赤サル。

はあ?お前、私の時と態度変わりすぎだろ!


「くそっ……」


涙を流すリキさんの周辺にはとってもシリアスなムードが流れる。

けど、どうしても伝えなきゃいけないことがあるんだ。

たとえリキさんが目の前で泣いていても、言わなきゃならない。

……これ言ったらひどい人間だって思うだろうな。

それでも、言わなきゃ。


「あの……」


私に注目する皆さん。

空気は変わることなくしんみりしたままだけど──




「ギター、どこにありますか?」




私はその空気を見事にぶっ壊した。