「……あのー」


いくらドアの前に立っても気づいてもらえそうにないので、近寄ってみた。

するとオウタさんが反応した。


「あー…ごめんね今立て込んでて、また後で……え!?」


私だと分かると目を見張る。

女好きのオウタさんがここまで反応鈍るなんて、一体リキさんの身に何が起こったのだろうか。


「……ども、オウタさん」

「優凛ちゃん!?」


その声に反応したのか、赤髪がぐりんと振り返ってきた。

思いっきり眉間にシワ寄せてガンを飛ばしまくる。

そんなにシワ寄せてると、頭硬くなってハゲるぞ。


「あ゙ぁ!?てめえ何しに来やがった!
誰が勝手に入っていいって言ったんだよバカじゃねえのブス!」


おい。そんな一気に悪口言われても、どうしようもなくムカつくだけなんですけど。

そして那智に至っては。


──ギロリ


誰よりも冷たいオーラを出しまくっております。

ねえココ。この人が紳士だなんて、やっぱり信じられないよ。