──キイィ。


古びた音と共に扉が開いた。

同時に漏れだす一筋の光。

ふう、と一息呼吸を落ち着かせて一気に光を浴び、意を決して扉の向こうに進む。


「……あれ?」


しかし、すぐに異変に気がついて緊張がほぐれた。

まず総長と銀髪紳士がいない。

そして誰一人、私が登場したことに気づいていないようだ。

違うな、気づいていないっていうより。


「璃輝さんしっかりしてください!」


リキさん、を引っ張る赤髪も。


「璃輝~…魂ちゃんと入ってる?」


とか言いつつ、でこピンくらわすオウタさんも。


「……大丈夫かこいつ」


滅多に人のこと心配しなさそうな那智も、寄ってたかって「リキさん」に集中していた。

そのリキさんはどうしてるのかっていうと、口を半開きにして放心状態。

何があったんだろう。