ココの話が本当なら、私はとんでもない勘違いをしていたのかもしれない。
どうやら世間一般の人は雷神のことを『カッコイイ憧れのヒーロー』だと思ってるらしい。
いやいや、ありえない。だってあんなにひどい目にあった。
なんたってギターを盗られた!
でも、あれは私が屋上に勝手に入った罰で……でもでも!
「ええい!」
両手で頬を叩いて、別のことを考えようとした時、私は再びココの話を思い出した。
2年前のこの時期だったそうだ。
『1人で散歩ー?』
塾の帰りで遅くなったココは、1人で帰途についていた。
そんな時、運の悪いことに現れた3人の男。
話しかけられた途端囲まれて、ココは身動きどころか声すら出せなかったらしい。
当たり前だ。
成人男性が絡んで来て、一発で倒せるレディなんて私しかいないからな!───なんて、私のことは関係ない。
囲まれたココは男に腕を掴まれて、近くに止めてあった車に連れ込まれそうになった。
必死に抵抗したけど逃げられるはずがなくて、涙を流しながら諦めかけた刹那!
『そいつから手ぇ放せ』
声と共ににぶい音がして、突然の出来事に唖然としていると……。
ココを捕まえていた3人はいつの間にか道に突っ伏していたらしい。
『……行くぞ』
男たちをやっつけたその人は、ココの手を引いて安全なところまで連れ行ってあげたそうな。
最後にココがお礼を言った時も、それから名前を聞いた時も、その人は何一つ変わらない表情で名前だけ言って去っていったらしい。
どうやら世間一般の人は雷神のことを『カッコイイ憧れのヒーロー』だと思ってるらしい。
いやいや、ありえない。だってあんなにひどい目にあった。
なんたってギターを盗られた!
でも、あれは私が屋上に勝手に入った罰で……でもでも!
「ええい!」
両手で頬を叩いて、別のことを考えようとした時、私は再びココの話を思い出した。
2年前のこの時期だったそうだ。
『1人で散歩ー?』
塾の帰りで遅くなったココは、1人で帰途についていた。
そんな時、運の悪いことに現れた3人の男。
話しかけられた途端囲まれて、ココは身動きどころか声すら出せなかったらしい。
当たり前だ。
成人男性が絡んで来て、一発で倒せるレディなんて私しかいないからな!───なんて、私のことは関係ない。
囲まれたココは男に腕を掴まれて、近くに止めてあった車に連れ込まれそうになった。
必死に抵抗したけど逃げられるはずがなくて、涙を流しながら諦めかけた刹那!
『そいつから手ぇ放せ』
声と共ににぶい音がして、突然の出来事に唖然としていると……。
ココを捕まえていた3人はいつの間にか道に突っ伏していたらしい。
『……行くぞ』
男たちをやっつけたその人は、ココの手を引いて安全なところまで連れ行ってあげたそうな。
最後にココがお礼を言った時も、それから名前を聞いた時も、その人は何一つ変わらない表情で名前だけ言って去っていったらしい。