中庭にはベンチがあるからそこでお弁当をたべることに。

こんな素晴らしい所でこんな可愛いココとお弁当食べられるなんて幸せすぎる。


「いただきまーす」


しっかり手を合わせてお弁当を開ける。

ふとココのお弁当どんなだろと思って視線をそちらに。

けどお弁当より気になったのは。


「ココ?どしたの」


ココの視線の先だった。

屋上を見上げてどうしたんだろう。

それにその目……優しくて温かくて、どこか悲しげ。


「……ココ?」

「ん?ごめん、何か話しかけた?」

「何見てたの?」

「へ?」


少し気になって質問してみた。

首をかしげるココに、私はその場所を指さす。


「あの辺かな。屋上当たり、今ずっと見てなかった?」


彼女が見てたその場所。

ずっと上の方を仰ぎ見たけど、そこにはだだっ広い空と校舎が見えるだけだった。


「なんかあった?」

「あ……そんなに私ずっと見てた?」

「んー、ちょっとの間だったけど、じっと見つめてたから気になった」


あの綺麗な顔で。

恋しい人を見つめるような優しい瞳で。


「あー…えっと…」


するとココの顔はますます赤くなる。


「どしたの?」

「あのね、屋上に……雷神の人たちがいるでしょ?」


ああ、あの怖い総長とヤンキーズがいるところ?

私のギター奪った総長がてっぺんで治めてる極悪非道の暴走族?


「優凛?どうしたの、怖い顔して。この話やめた方がいい?」

「ううん、大丈夫。ココは関係ないから話続けて」

「……それでね、屋上って雷神の人たちが使ってるでしょ?」


そうだね。公共の場所なのに占領しちゃってる!


「実は私……雷神のメンバーの中のひとりが好きで……」


そっか、ココは雷神が好きでこの高校に入ったんだっけ?

正直、純粋ピュアガールなココに雷神の奴らは似合わないと思うけど。