リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

歓声が上がり、会場が揺れる。

ステージ上はライトアップされ、私にはスポットライトが当たる。

全てのカメラが私に向けられた。

心臓が脈を打つ。体中が熱い。


「ふぅー……」


スタンドマイクの手前で深呼吸。

そして目を瞑った。

たくさんの声、伝わる熱気。

その中心に私がいる。

ここに生きている。


ギターのネックを握り、私はスタンドマイクの前に出た。

片方の手はマイクを手に取り、口は自然と言葉を紡ぐ。


「…みなさんこんにちは。Yu-riです」


声は少し震えている。

この場も、歓喜の声に震えている。


「今から歌うこの曲は、私が高校生の時に作曲したものです。
とても思い入れのある、大事な曲です」


早く歌いたい。

歌いたいけれど、今日は歌う前に、どうしても伝えたいことがある。それは会場にいるみなさんに。

カメラの向こうで、私を見ている全国の人々に。

それから――大好きな睦斗に。


「私が歌うのは、支えてくれるみなさんのためです。
応援してくださるファンの方々に。
どんなに忙しくても、私の話を聞いてくれる親友に。
いつも私の支えになってくれる家族に。
そして――世界で一番大切なあの人に、この歌を贈ります」


あれから4年。

私も睦斗も大人になった。

けれども、お互いを想う気持ちに変わりはない。

これからも変わるつもりはない。

だから今一度、あなたへの愛を伝えたい。