―4年後―




青白いライトが、スモークのかかった空間に光を注ぐ。

肩にかけたお母さんのギターも、青白く光っていた。

薄暗い照明のもと、ステージにはドラム、ギター、ベースを担当するプロの方が楽器の最終チェックをしている様子。

ステージの脇にはたくさんのカメラと、カメラマンさんが構えている。


そしてステージの下、目と鼻の先にはたくさんの人々の顔が。

ひとりひとりの顔は暗くて分からないけれど、各々が私に注目している。

優に3000人を越えるという観客。

全員がそろってこちらに視線を向けていた。ここは都内某所、とある有名な会場のコンサートホール。

数多のアーティストが歌い、踊り、盛り上がっている中、次は私の出番となった。



「さあ皆様、お待たせしました!続いてのアーティストは……Yu-ri(ユーリ)さんです!」