「俺も好きだよ」


優しい声でそう言ってくれた陸斗は、ちょっと恥ずかしかったのかその後咳払いしてエンジンキーをひねった。

エンジンを唸らせ、ヴォン、ヴォンと先に出発した幹部たち。

そんな彼らの行先はひとつ。


帰りを待っている仲間がいる場所。

「おかえり」と言ってくれるところ。

「ただいま」と笑顔で言えるあの空間。


帰ろう、あの場所へ。

私の居場所はそこにある。

そして私は歌うんだ。

つながりを忘れないよう、みんなのために。

私は歌い続ける。

この世界で生きていく。


私は――



「優凛」

「……ん?」

「俺のそばにずっといろよ」

「うん、絶対離れない」



独りじゃないと教えてくれた、あなたの隣に在り続ける。