リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「ふぁ…」


那智はバイクに股がったまま、まさかのあくび。

なんてマイペースな行為だ。

でも、あくびしてもカッコよく決まっちゃうから許せる。

そんなことより――


「みんな!なんでここに!?」


雷神幹部全員が集結した理由が知りたかった。


「バーカ、睦斗がここにいるからに決まってんだろうが!
それ以外何があるんだよアホが」


それだけだと言うのに、こいつは――お馴染みサルは、勢いよく罵倒してきた。


「なんだとこのサル!先人が眠る神聖な場でなんて卑劣なことを。
恥を知れチビ!いい加減私のことバカにすんじゃねえ!」


イライラを貯めるといけないので負けじと反論。


「まあまあ、そこら辺にしとけって」

「桜汰さん!?でも……」

「桜汰先輩!だってこいつが……」


息を揃えてお互いを批判すると、桜汰先輩の表情は苦笑から穏やかな微笑へと変わった。


「あのね優凛ちゃん。実はこう見えて一番優凛ちゃんのこと心配してたの、悠だから」

「え?」

「うわわっ!?桜汰さん何言って――」


信じかねる発言に、モノも言えない私と、おたおたする悠。


「影ではいつも気にかけてるのに、いざ会うといつもこうなっちゃうんだよな。
なあ、悠?」


……こいつが、このサルが私を心配だと?

ない、悠に限ってそれはないよ。


「っ……悪いかよ!
お前のこと心配だった!
バカみてえに元気なお前がいなくてすげえ退屈だったんだよ!そんだけだ!!」