リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-





遠くから、バイクのエンジン音が聞こえる。

ここはさっきも言ったけど、治安の悪い街ってことで有名。


「はっ、はっ……絡まれませんよーに!」


そんなこと呟きながらランニング。

明るくて人通りの多い大通りを走り抜けると、正面見えるのは商店街のアーケード。

ここの商店街、からあげ屋さんが絶品だからよく利用してるんだよねー。


「ちょっと寄り道しちゃおっかな〜……うん?」


異変に気づいたのは、そんな矢先だった。

人がこっちに走ってくる。

それが1人や2人ならなんとも思わないけど、そんな数じゃない。

しかもみんな、何かを恐れるように逃げている。


ふと見ると逃げ惑う人ごみの中に、噂をすればいつもお世話になるからあげ屋のおばちゃんがいた。

私は思わず声をかけた。