睦斗はそんな私を見て微笑んでくれる。

ああ、一緒に笑ってくれる人がいるって幸せだ。

だから、図らずも想いが飛び出してしまった。


「好き」

「知ってる」

「大好き」

「俺もだ」


突発な私の告白にも、待ってましたと言わんばかりに答えてくれる睦斗。


「知ってる睦斗?」

「ん?」


そんな睦斗に、ひとつ秘密を教えてあげよう。


「ここね、この海ね……お父さんがお母さんにプロポーズした場所なんだって」


この海で、この灯台の上で、お父さんはお母さんに愛を伝えた。

最大の愛をここで。

だからこの海は特別な場所。

大好きなお父さんとお母さんが結ばれたところだから。


「覚えとく」

「え?」


口を開いた睦斗は目を細めて私と向かい合う。



「俺たちが大人になったら……もう一度来ような」


それってつまり――

ううん、この先は聞かないでおこう。

想像じゃなくて現実にしたいから。

まずは睦斗の前で私らしくいることから始めよう。


「帰ろうか」

「うん!」


青空を眺める睦斗の横顔を見つめ、私らしく笑顔で返す。

本当に……陸斗に巡り会えてよかった。