リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

睦斗のバイクに乗ってたった2人で来たのは海岸。

睦斗と初めて気持ちが通じ合った場所。

記憶を取り戻したおかげか、晴れ渡る青空が懐かしくて一層綺麗に感じた。


「ったく、お前まだ泣いてんのか。汚ねえな」

「だって……うっ!」


バイクから降りてもぐすぐす泣いている私に手を伸ばし、顔を乱暴に拭う睦斗。

うっすらと笑みを浮かべる表情はどこか安堵が含まれていて、安心できる。


「んんっ、服……汚れる」

「構わねえ、気にすんな」


でも、睦斗の服が涙や鼻水だらけになるのはどうかと思う。


「もう泣くな」

「泣いてない……」

「泣き止まねえと泣き腫らした目がもっと腫れてひどい顔になるぞ」

「ちょっと、慰めてよぉ!」

「バーカ、慰めたら余計泣くだろうがお前は」



くそう、睦斗の野郎。

優しく接してくれたと思ったらいつもの態度に戻りやがって。

ドSっぷりは健在か?

そんな意地悪な顔で笑うんじゃない!