リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「……優凛、もうおしまいにしよう」


睦斗の声がする。

振り返ると、睦斗が私の腕を掴んだ。

強い力で引き寄せられ、気がつけば――



「もう離さねえ。誰もお前を独りにはしない」



あたたかい腕の中に収まっていた。

その腕に込められた力。このぬくもり……。


「お前はお前でいいんだ。そのままでいい、俺のそばにいてくれればそれでいい」


大切で大事で大好きな、睦斗のもの。

なんだっけこの感覚。

不意に鼻がツンとして目頭が熱くなる。

視界が揺らめいて、ついに頬を伝うそれ。


「あ……」


涙、だった。

あまりにも突然だったから、自分でもしばらくは理解できなかった。

なんで涙が出るの?

この気持ち、この切なさ――遠い昔に置いてきた感情。

悲しみ、だ。

こんな感情だったんだ。

ずっと忘れたフリをしていた。

感じまいと必死に我慢していた。