リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

自然と駆け出す体はどこに行くのか。

逃げたいの?どうしたいの?

自分の気持ちが分からない。

私は睦斗のそばにいていいの?

記憶を取り戻してしまった私を、みんなはこれまで通り接してくれるの?

追ってくる睦斗の声を無視して、光が降り注ぐ外へ。


「あっ……!」


飛び出したところで足が止まる。

そこには――


「……優凛ちゃん!?おい、お前ら!!」

「無事か?怪我してないか!?」


周りに呼びかける桜汰先輩と、心配して駆け寄る璃輝さん。


「おい、思いっきり手が腫れてんじゃねえか!腕もアザだらけだ。早く氷で冷やさねえと」


私の手を握る悠。


「……安心しろ。逃げ出した奴らも片付けた」


颯先輩は優しく笑いかけてくれた。


「怖かったよな……助けが遅れて悪かった」


那智は困ったような顔をして謝る。

みんなが待っていたかのように、私の回りに集まってきた。

当たり前みたいに。

私の存在があることが当然みたいに。


「優凛やないか!大丈夫か!?」


龍生だっている。その周りには知っている顔がいっぱい。

どうして私の近くに来てくれるの?

私は、ずっと独りで生きていくんだと思っていたのに。

自分勝手に人を困らせてる。こんな私を見たら、みんな遠ざかっていくんだって思っていたのに……。